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【池の水ぜんぶ抜く大作戦】お城のお堀の水を抜く!丸亀城(香川県)、萩城(山口県)という名城の堀から何が出たのか? [自然・生物]

外来生物を駆除し日本の在来種を守れ!

2019年1月2日(日)、テレビ東京系で夜6:30から3時間にわたって放送された「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」よりダイジェストをお送りします。

この番組は環境と在来生物を守り、より生物が棲みやすい環境になることを目的に2017年1月から散発的に始まったもので、回を重ねるごとに人気を呼び、ついに月一回レギュラーとなった。
過去、大きな池から小さな池まで水を抜くこと30数回。抜くごとに、外来種が非常に多く繁殖していることがわかり、これを駆除するとともに、貴重な日本固有の在来種を保護してきた(一部在来種が心ならずも死ぬ事態が発生したことはあった=番組は反省し管理をきちんとするとしている)。

今回は、放送された中から「香川県・丸亀城のお堀」「山口県・萩城」を紹介します。
他に愛知県・佐布里池(超巨大池=次回へ続く)や千葉県・大栄カントリー倶楽部でのタイムカプセル探し、もありましたが、今回は割愛します。




緊急SOS=丸亀城のお堀の水ぜんぶ抜く(香川県丸亀市)

 ●出演:田村淳
     田中直樹
     的場浩司
     あばれる君
     大家志津香
 ●指導:加藤英明(静岡大学)
 ●依頼主:丸亀市(市長)
 ●依頼内容:堀をキレイにして丸亀城を復活させたい
 ●池の水量6000t
 ●ボランティア:100人

香川県の丸亀城は、現存する全国12天守の一つ。ちなみに12天守とは、丸亀城、伊予松山城、犬山城、松本城、宇和島城、弘前城、姫路城、備中松山城、丸岡城、高知城、松江城、彦根城を指す。石垣の高さは66mで日本一、その曲線は「扇の勾配」と呼ばれ名高い。しかし、この石垣が崩れる事態になったのだ。城の南側部分(高さ17m・幅25m)が去年7月の西日本豪雨と9月の台風によって崩落してしまった。被害総額は最大で35億5千万円にも及ぶという。
しかもお堀にアオコが蔓延しているという。これまで浄化装置などを試したが、一時的なものでしかなかったという(水抜きしたのは45年前)。
今回の依頼は、このお堀をキレイにしてほしいというものだ。

 <調査開始>
今回水抜きするのは、お堀の一角・北西部分。お堀を清掃して徹底的にキレイにするというのがミッションだ。大型ポンプやフローティング・ポンプ(水面に浮かして吸い上げるのでヘドロを吸わない)などでの水抜きは4日間に及んだ。抜いた水は隣の堀へ移し、どんな生物がいるかわからないので水の一部は残した。

一同が水の中に入ると、ヘドロ地獄が待っていた。ヘドロにはまって身動きがとれない。そこで〝秘密兵器〟の「板」が登場。板をつなぎ合わせれば道となり、一同は水溜りへ。
最初に大家がコイ(外来種=ヘドロを吸って巻き上げる)の群れを引き寄せ捕獲。しかし加藤先生が「コイがやせている。エサがないから」と指摘する(アオコなどの植物プランクトンはコイのエサにならない)。またフナ類もいたが、これらもやせていた。
保護・捕獲が進むうち、特定外来種のブルーギルが出てきた。8cmを超えると卵を産むというブルーギルが出るわ出るわ、いずれもビッグサイズだが、子魚もいた。加藤先生は「水を抜き干さないと全部駆除できない」と説明。
そうした中、在来種のモツゴもいた。モツゴは害虫を食べてくれるので貴重だ。
さらに田中直樹がナマズを発見。在来種でお堀の生態系を守る救世主(外来種を食べる)である。

 <捕獲生物>
 ◎在来種:ナマズ 11匹
      スジエビ
      テナガエビ
      モツゴ
      ヨシノボリ属
      タモロコ
      6種類 1163匹
 ◎外来種:コイ 308匹
      ゲンゴロウブナ(国内外来種)
      ミシシッピアカミミガメ
      クサガメ
      ブルーギル
      5種類 811匹

生物を保護・捕獲した後は、お堀の一斉清掃に移った。
その中で、田中と加藤先生が石垣の間に京極家家紋「四つ目結紋」がある瓦を見つけた。その後の鑑定で、幕末期の丸亀城主・京極家の家紋「四つ目結紋」と「隅立て目結紋」だという。
また、淳は京極家の軒を飾っていた「軒平瓦」を発見。横に唐草紋様が入った江戸時代のものだという。
一方、的場は今までの形状とは違う巨大瓦を発見した。これは鬼瓦の部分だった(城外の屋敷)。
さらに田中が新たな形状の四つ目結紋が入った瓦を発見。これは江戸時代の京極家「軒平瓦」で、県指定文化財の御殿表門で使用された貴重な瓦とのこと。
他に京極家家老の多賀家の橘紋が入った瓦もあった。
これらは丸亀城の資料館に展示される予定となっている。

感心なことにゴミはあまり落ちていなかった。地元の人たちが城を大切にしている証だ。
堀がキレイになり、石垣も修復されつつあるので、石垣の偉容を誇る丸亀城の復活も近いことだろう。




萩城の堀からお宝が出たー!(山口県萩市)

 ●出演:塚本高史(俳優)
     森永悠希(俳優)
     仁村紗和(女優)
 ●指導:久保田潤一(NPO birth/自然環境保全・生物調査専門家)   
 ●依頼:萩市長(代理=萩市観光政策部文化財保護課)
 ●依頼内容:生物調査とお堀の掃除
 ●ボランティア:博物館・水族館・高校・大学

400年前に毛利輝元によって築かれた萩城は、その間1回も水を抜いた記録がないという。明治になって維新の中心地である長州の萩城は最初に壊された城となった。堀と石垣が残されているが建物は残ってない。壊した時に水がどうなったかはわからないが、400年間〝無傷〟だったので、何かお宝が出る可能性が高い。

ところで今回は水抜きレギュラー陣が不参加で、代わりにテレ東ドラマ『原島浩美がモノ申す』に出演の俳優陣が参加となった。足手まといにならなければよいが…。

 <調査開始>
一同、すでに水の一部を残して水抜きが完了したお堀へ。粘っこくヘドロがからみつく。仁村紗和は腰までつかり動けない。それでもなんとか捕獲場所へ。しかし捕獲となると頑張って多くのコイを捕えていた。久保田先生から「うまい」と褒められた。
コイはヘドロを吸って巻き上げるので水を汚す最大の原因となる。大陸から入ってきた外来種で、日本原産のコイ(野鯉)は琵琶湖の一部にしか残ってない。
仁村に負けじと塚本、森永もコイを次々と捕獲。その数158匹。

塚本が巨大魚を捕獲。久保田さんが「これはソウギョ」と。中国四大家魚(ソウギョ・アオウオ・ハクレン・コクレン)のひとつで、一つの池で4種類を飼うことができるといわれている。つまりソウギョは水草、アオウオは貝、ハクレンは植物プランクトン、コクレンは動物プランクトンと喰べるものが違うからだ。
ソウギョは水草を大量に食べるので、水の汚れの原因となる。日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている。
クサガメも捕獲。近年外来種とわかったクサガメは在来種のイシガメと交雑して雑種が生まれるので要注意の存在だ。

こうした中、巨大魚ヘドロの中にいる生き物を発見。3人の俳優が舟で近づき捕獲してみると、90cmのソウギョだった。さらに森永が2匹目を捕獲。これは90cm超えのでかさだ。

在来種はいないのか? と危惧していたらナマズがいた。これは山口県のレッドリスト・絶滅危惧IB類に指定されている。これを4匹保護できた。
さらにヨシノボリ、エビ類も出た。

 <捕獲生物>
 ◎在来種:ナマズ
      ギンブナ
      ニホンウナギ
      ヨシノボリ属
      エビ類
      合計:5種類 
 ◎外来種:コイ
      ソウギョ
      ミシシッピアカミミガメ
      クサガメ
      ブルーギル
      合計:5種類 
      
後半戦はゴミ拾い。しかしゴミはあまりなかった。「世界遺産を守ろうとする山口県民の意識の高さ」(塚本弁)からか。
あとはお宝探しだ。明治期に取り壊されたので、材木類は売られ、瓦類は残されお堀や周辺に散乱したと思われる。石垣近くには瓦の破片がいくつも落ちていた。
探っていた塚本は丸瓦を手にした。萩市文化財保護課の人によると、これは江戸時代の毛利家の軒丸瓦という。毛利家専用の瓦で、担当者は「持って帰る」とのこと。
次に仁村が見つけた瓦は、毛利家特注の平瓦。毛利家の一文字の家紋が入っていた。さきほどの丸瓦と組み合わせて使用された。これも貴重な歴史資料だ。
もうひとつ、塚本がボコボコ付きの瓦を見つけた。これはシャチホコの鱗とのこと。天守かどうかは不明だが、城のどれかの建物のシャチホコのものだろうという。これも貴重な発掘だ。
さらに森永が手にしたのは、鬼瓦の一部。なかなか出ないものだ。
またさらに仁村が見つけたのは、上の鬼瓦の家紋の部分。一文字に三ツ星が毛利家の家紋だが、これは二つ星の部分で、これまた超貴重な発見。
さらにさらに仁村が手にしたのは、鬼瓦の上につける「鳥衾(とりふすま)」という瓦。丸い中に略式の家紋がある。上部に穴が空いていて、ここに串を刺し鳥が止まらないようにしたものだという。これは今まで出てこなかった瓦で超貴重なものだ。

こうして今回の調査は終了。
萩市文化財保護課の担当者も興奮するほどの歴史資料が見つかり、堀の水抜きは大成功だ!



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