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【池の水ぜんぶ抜く】「カミツキガメ捕獲大作戦」では印旛沼周辺を池の水オールスターズが捜索/「太宰府天満宮・遊園地のボート池」は在来種が多い良い池だった [自然・生物]

外来生物を駆除し日本の在来種を守れ!

2018年5月20日(日)、テレビ東京系で夜8:00から2時間にわたって放送された「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」よりダイジェストをお送りします。

この番組は環境と在来生物を守り、より生物が棲みやすい環境になることを目的に昨年1月から散発的に始まったもので、回を重ねるごとに人気を呼び、ついに月一回レギュラーとなった。
過去、大きな池から小さな池まで水を抜くこと20数回。抜くごとに、外来種が非常に多く繁殖していることがわかり、これを駆除するとともに、貴重な日本固有の在来種を保護してきた(一部在来種が心ならずも死ぬ事態が発生したことはあった=番組は反省し管理をきちんとするとしている)。

さて今回は、「カミツキガメ捕獲大作戦」「太宰府天満宮・遊園地のボート池の水を全部抜く大作戦」。
さあ、どんな結果になったのだろう?!



カミツキガメ捕獲大作戦(千葉県印旛沼周辺)

 ●出演:田村淳、田中直樹、的場浩司、あばれる君
     (池の水オールスターズ)
 ●指導:静岡大学教授・加藤英明(農学博士)
 ●場所:印旛沼・鹿島川周辺

千葉県印旛沼周辺はカミツキガメの被害が多く報告されている。印旛沼に放たれたカミツキガメが繁殖し、川から田園地帯にまで広がって、その数推定16000匹といわれている。周辺自治体も駆除を行うが、数を減らす気配はない。大きく凶暴なカミツキガメは在来生物を食い尽くし、人や家畜にまで危害を与えている。水田のアゼに穴を開けるので、そこから水が流れ出すという被害もあるという。
番組では2017年に3回捕獲作戦を試みたが、残念ながらいずれも捕獲は失敗に終わっている。
今度こそはと、番組レギュラー陣総動員で印旛沼周辺の3つの池で捕獲大作戦を繰り広げた。

<佐倉城址公園のお堀>
まず加藤先生が目をつけたのは佐倉城址公園のお堀。印旛沼から水路でつながっていて、一度も調査を行っていない場所だ。2日かけて1000tの水を抜き、カミツキガメの捜索に取り掛かった。
くまなく探すも、下記外来種は見つかるが、標的はなかなか見つからない。
3時間捜索したが、カミツキガメはおろかアカミミ、クサガメなどもいなかった。他の生物に悪影響があるので、ここの捜索はこれで終了し、次の池に向かうことになった。

 <捕獲生物>
 ◎外来種:コイ
      ブラックバス
      アメリカザリガニ
      ブルーギル 471匹
      ツチフキ(西日本にいる国内外来種)
      ウシガエル

<角来湧水池>      
ここは鹿島川に非常に近いので、潜んでいる可能性が高いと加藤先生は言う。
小さい池なので水抜きは30分と速かった。捜索隊は植物の根元を重点的に調べた。外来種は出るもののカミツキガメは見当たらない。
そこでポイントを変え鹿島川へと伸びる水路へ移った。ここで在来種のヒバカリ(ヘビ/千葉県保護生物)が見つかった。しかし相変わらずアメリカザリガニが多く見つかる。これはカミツキの好餌でこれを狙って拡散しているのだろうと加藤先生。ザリガニを駆除することはカミツキの駆除につながるので、捜索隊はこれを徹底的に行った。

 <捕獲生物>
 ◎外来種:アメリカザリガニ 80匹
      カダヤシ(蚊の幼虫退治に輸入された)
      ウシガエルのオタマジャクシ
 ◎在来種:ヒバカリ(ヘビ/千葉県保護生物)

<鹿島川水域の田園地帯>      
ここはカミツキガメが多く報告されているところで、加藤先生自身もここで捕獲経験がある(おそらく『鉄腕DASH』の「グリル厄介」企画)。
ポイントは鹿島川につながる水路。ただ、ここは田園地帯なので水を抜けない。そこで1日前にワナを仕掛けた。ワナの中には匂いの強いイワシを入れ、カゴの中に入るのを待つ。このワナを51個も仕掛けたのだ。仕掛けた範囲は16万㎡。

この日はこれらのワナを引き上げるのが中心。8個の仕掛けは空振りだった。
しかし、9個目のワナにカミツキガメがかかっていた!
カミツキガメ:特定外来生物で人の指を食いちぎるほどの強いアゴを持つ。推定6歳のオスだ。
この番組初の捕獲に成功した!

一行は次のワナに移動した。
何とここには、1つのワナに3匹が入っていた!
しかもメス3匹。1匹が20個の卵を産むので、60匹捕獲したに等しい計算だ。
次のワナにはオス2匹がかかっていた!
1匹は体長30cm。
このあとも次々捕獲成功し、合計9匹になった。
しかし、ワナを破ったカミツキがいた。捜索隊はこれを探しに水路を当たることとした。水路には様々な隠れ場所がある。その中でも身を隠すためにカミツキが掘る横穴が最大の狙い目だ。
芦のような草が茂る中、一行は穴に手を突っ込み、棒を突っ込みながら大捜索を展開した。1時間、2時間と経っていくが、なかなか見つからない。見つけても逃げられたこともあった。
夕方になり、一行は最後の作戦に出た。ワナを破った水路にはカミツキが残っているはずと、一方の端を網で塞ぎ、もう一方からみんなで追い込む作戦だ。途中の横穴に注意しながら進む。

しかし……ついに見つからなかった。午後7時作戦終了となった。
加藤先生は「稲刈りが終わり田んぼの水がなくなる頃、再チャレンジしましょう」と言った。
田中はそんな折、トウキョウダルマガエルを捕まえたと持ってきた。準絶滅危惧種の在来生物だ。

 <捕獲生物>
 ◎外来種:カミツキガメ 13匹
 ◎在来種:トウキョウダルマガエル

最初の池から10時間。なんだかんだ言ってもカミツキガメは13匹捕獲できた。これらは静岡大学の加藤先生の研究室に運び、生態系調査の研究データとなる。




太宰府天満宮の遊園地の池(福岡県太宰府市)

 ●出演:的場浩司、箕輪はるか(ハリセンボン)、寿一実(九州吉本)
 ●指導:静岡大学教授・加藤英明(農学博士)
 ●依頼:太宰府天満宮遊園地
 ●協力:九州大学、北九州高校、修猷館高校や市民ボランティア72人
 ●作業:北九州テクノサービス
 ●池の規模:4725㎡、水量5500t

菅原道眞のお墓の上に建てられたといわれる太宰府天満宮。学問の神様として全国にあるが、ここが本社だ。太宰府天満宮の奥に「だざいふ遊園地」という遊園地がある。昭和32年開園で、九州初のジェットコースターを導入するなど、最盛期には来場者数は年間60万人を超えていたとか。しかし、ニーズに合わず、現在は15万人に減ってしまっている。
今回は、ここにある「ボート池」の水を抜いてほしいという依頼だ。地元住民の憩いの場として長く愛されてきたこの池、水面ではボート遊び、池の周りはゴーカートコースが造られ、春には桜が咲き賑わうところだったが、現在は老朽化などで立ち入り禁止状態となっている。
依頼内容は、「60年間放置の池の生物を一斉調査し、遊園地の復活につなげたい」というもの。

加藤先生によれば、この場所は谷戸で周りは木々に覆われているので、水生昆虫(ゲンゴロウ、タガメ)やアカハライモリも残っている可能性があるという。

3日前、水抜き作業が始まった。抜いた水は天満宮の心字池から近くの川へ注ぎ込む(生物が吸い込まれないよう取水ホースの先には網を張ってある)。
どんな貴重種がいるかわからないため3分の1の水を残した。

 <調査開始>
まず見つかったのは、在来種のニホントカゲ(東京では絶滅危惧種/水棲生物ではない)。
次に水面をピョンピョンはねるテナガエビが見つかった。もちろん在来種だ。
在来種・ヨシノボリも見つかった。池の底にいるハゼ科の淡水魚だ。
しかし水がすこない状態なので、酸欠状態を起こす恐れがあるので、みんなは救出を急いだ。
「池の主」スッポン(甲長25cm・推定3歳オス)も出た。
また、ギンブナ(在来種)も多かった。この魚は大半がメスでコイやドジョウなど他魚のオスと繁殖行動ができる。

 <捕獲生物>
 ◎在来種:テナガエビ 2000匹
      ヨシノボリ380匹      
      ギンブナ297匹
      スッポン
      ヌマガエル(西日本しか生息しない)
      ニホントカゲ
      サワガニ 
      コシアキトンボのヤゴ
      オオヤマトンボのヤゴ
      マツモムシ
      計2686匹
 ◎外来種:コイ 18匹
      ミスシッピアカミミガメ 7匹
      計25匹

というわけで調査は終了。
加藤先生は「外来種が少なく在来種が多かった。この池はとてもいい池だった」と結んだ。
的場は「驚いたのはゴミが少なかった、ということ」と感想を述べた。
なお、5月21日から一部ボート池が開放されるという。


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