【池の水ぜんぶ抜く大作戦】「長崎大村公園桜田の堀は海の高級魚の宝庫だった!」「埼玉大宮氷川神社の池をきれいにしてホタルを復活させたい」 [自然・生物]
外来生物を駆除し日本の在来種を守れ!
2018年10月14日(日)、テレビ東京系で夜8:00から2時間にわたって放送された「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」よりダイジェストをお送りします。
この番組は環境と在来生物を守り、より生物が棲みやすい環境になることを目的に2017年1月から散発的に始まったもので、回を重ねるごとに人気を呼び、ついに月一回レギュラーとなった。
過去、大きな池から小さな池まで水を抜くこと20数回。抜くごとに、外来種が非常に多く繁殖していることがわかり、これを駆除するとともに、貴重な日本固有の在来種を保護してきた(一部在来種が心ならずも死ぬ事態が発生したことはあった=番組は反省し管理をきちんとするとしている)。
今回は、放送された中から「長崎県大村公園・桜田の堀」「大宮氷川神社の池」を紹介します(他に福岡県北九州市・権ヶ迫池でのカミツキガメの捕獲、ゴルフ場の池での水抜きもありましたが、今回は割愛します)。
さあ、どんな結果になったのでしょう?!
大村公園・桜田の堀の水ぜんぶ抜きボラを海へ帰す(長崎県大村市)
●出演:あばれる君
中川翔子
ピカチュウ(捕獲には参加せず)
●指導:久保田潤一(NPO birth 自然環境保全・生物調査専門家)
●依頼主:長崎県大村市長(園田氏)
●依頼内容:池の水質環境を良くするためボラを海に帰す
●池の面積7000㎡水量10000t
大村公園はかつての大村城(玖島城)の跡で、本丸があったところには大村神社が建てられている。お堀は「桜田の堀」という池となり、隣接の大村湾とつながっている特殊な立地となっている。
つまり番組史上初の海水が入り込む池、海水+淡水=汽水の池なのだ。
水面にはおびただしい数のボラがピチピチ跳ねていた。市長が言うには「1000匹」いるだろうと。なぜこんなにボラがいるかというと、海とつながっているのはもちろん、「水が汚いから」(久保田氏)だという。ボラは水の汚れに強い魚で、かつ池の汚れを食べて暮らすことができる魚だそうだ。
ボラは出世魚で、ハク→オボコ→イナ→ボラ→トド(「とどのつまり」はここからきた)と成長するに従って呼び名が変わる。
桜田の池の水は4日間かけて抜き、生物のためにわずかに水を残した。海との間は鉄板で遮断した。
<調査開始>
まずボラを保護するのだが、あばれる君が捕獲したのは「キチヌ」(在来種)。クロダイの仲間で、長崎ではクロダイのことを「チヌ」と呼び、ヒレが黄色いものは「キチヌ」と呼ぶ。川を上って淡水域まで入ることがあり「川鯛」ともいう。さらにその「チヌ(クロダイ)」も捕まった。最大70cmにもなり、沿岸部に生息、5000円で取引されることもある高級魚だ。
さらにまた「スズキ(シーバス)」(在来種)も網にかかった。最大1mを超える夜行性の肉食魚でこれも高値で取引される高級魚。
別の網には「シマイサキ」(在来種)が入った。4〜7本の縞帯が特徴。
ショコタンは「カライワシ」(在来種)を捕まえた。透明なレプトケファルス幼生期がありウナギやアナゴに近い種類。外見からはそう見えない。小骨が多く食用には向かない。
そうこうしている間に、あばれる君は今度は「ウシエビ(ブラックタイガー)」(在来種)を捕獲した。これはクルマエビ科の中でも大型で最大30cmになる。
さらに「アナジャコ」(在来種)も。砂浜や干潟に1m前後の深さで巣穴を掘って暮らす。産地で塩茹でや素揚げにして食べられる。
久保田さんは「クロサギ」(在来種)という小型魚を網に入れた。
この池はこれまでと全く違う生態系だ。
次に、お目当の「ボラ」(在来種)の保護にとりかかった。出世魚のためボラという名は30〜50cmの大きさを指す。きれいな水域で捕れたボラは美味しく高級魚。この卵巣を塩漬けにして天日干しにしたのが珍味「カラスミ」だ。ここ長崎の名物でもある。
一同はボラを次から次へと捕獲する。その数は推定で1000匹以上。
弱らせないため、近くの生簀にすぐに搬送し、海(大村湾)の近くにある別の池に放流する。こうすればボラは海に帰れる。
捕獲して改めて数えたら、ボラの数は2600匹だった!
最後に、スタッフが大きなものを捕まえた。絶滅危惧種の「ニホンウナギ」だ。環境省レッドデータブックで絶滅危惧1B類と指定される生物。さらに「ミナミメダカ」という絶滅危惧種も発見できた。絶滅危惧II類で比較的塩分に強いという。
<捕獲生物>
◎在来種:キチヌ(クロダイの仲間)
チヌ(クロダイ)
スズキ
シマイサキ
カライワシ
ウシエビ(ブラックタイガー)
アナジャコ
クロサギ
ヒイラギ
コノシロ
チチブ
ウロハゼ
ボラ
ニホンウナギ
ミナミメダカ
合計16種類 3386匹
◎外来種:クサガメ3匹
ミシシッピアカミミガメ11匹
この池はほとんど海や汽水の生き物ばかりだった。高級魚が続々出てきた池という番組始まって以来の展開に一同はビックリ。しかし汚れた池ながらこのような海の魚がたくさんいたのはそれなりに良い環境だったにちがいない。ボラがいなくなって、これからは水質良化されさらに良い環境になることだろう。
大宮氷川神社の神池の水をきれいにしてホタル復活を(埼玉県さいたま市大宮区)
●出演:田村淳
大家志津香(AKB48)
笛木優子
佐藤寛太(劇団EXILE)
●指導:NPO birth
●依頼:大宮氷川神社
●依頼内容:池をきれいにしホタルを復活させる
大宮氷川神社は武蔵一宮の大いなる宮。地名の「大宮」の由来となった文字通り大きな神社だ。2400年前(!?)に創建したと伝わる関東一円の氷川神社280社の総本社だ。1180年源頼朝が社殿を再建したという。山道の長さは日本一で、その距離なんと直線2km。初詣には230万人が参拝に訪れる関東屈指の神社だ。
大宮はゲンジボタルが日本一だった時代があった。昔は徳川将軍家や天皇家にホタルを献上していたという。ところが昭和40年代になって水が汚染されたり、コイや外来種が増えたりしてホタルが消えた。今回の緊急SOSは宮司さんからの「池をきれいにしてゲンジボタルを復活させたい」という依頼なのだ。
地元でもホタルの復活を望む声が大きくなり、平成27年氷川ホタルの会を結成し神社の裏にある小さな池を「蛍池」と名付け、ホタルのエサである「カワニナ」を育て、埼玉県越谷市からゲンジボタルを譲り受けるなど、ホタル復活の準備段階に入っているという。
問題の池=「神池」は一目見て「キッチャナイ」(淳)という状況。50年以上手つかずで、水は緑色に濁り見るも無惨な池となっている。「今までの中でも上位の汚さ」(淳)。
2日前から水抜きを開始。水の一部を残して水抜きは完了した。
<調査開始>
粘っこいヘドロがからみつき捕獲作業は難航した。しかし何とか頑張って網やタモを水にくぐらせる。
まず捕れたのは外来種のコイ。コイは大きな口でヘドロを巻き上げるので池を汚す最大の原因となっている。女優の笛木優子もヘドロに負けずに頑張った。笛木は大宮神社の近くの出身ということで、七五三は当神社で行ったそうだ。なのでこの池は絶対にきれいにするとの思いが強い。
佐藤寛太はコイを同時に4匹捕獲に成功した。
池を汚すコイはホタルの生息場所には絶対にいてはいけない存在だ。
「池の主」ソウギョ(80cm)も出たー。これは大量の水草を食べ尽くすので、ホタルの天敵だ。
またアメリカザリガニもいた。池や田んぼに生息しホタルへの影響が最も大きい。ホタルの幼虫を食べエサとなるカワニナも食べ隠れ家となる水草も食べるので、
<捕獲生物>
◎外来種:コイ 232匹
ソウギョ
アメリカザリガニ 9匹
ライギョ
フトマユチズガメ
ゲンゴロウブナ
金魚
ミシシッピアカミミガメ
合計:296匹
◎在来種:モツゴ 3000匹
スジエビ 3000匹
ヨシノボリ
ヤゴ
合計:6013匹
このあと小学生が2ヶ月前に池にカバンを落としたので探して欲しいとの要望が淳に伝えられ、一同捜索したが出てこなかった。代わりに松田聖子の写真が入った生徒証とアメジスト(紫水晶)の塊が発見され、生徒証は本人の元へ、アメジストは透明度の高いものは100万円するものもあるというが、これはどうか? あとで鑑定してもらった結果、天然のアメジストに間違いない。しかし色が薄く透明度も低いので5000円から10000円だろうとのこと。
大宮氷川神社の神池は、同じ種類ばかりに偏っていた。これは良いとは言えない。いろんな生き物がいた方が良いのだ。
この池は一年間かけ天日干ししながらショベルカーでヘドロを除去してきれいにしていく予定だ。
そうすれば地元の人が望むゲンジボタルの復活も夢ではなくなる。今回のかい堀はその大きな一歩となるだろう。
スポンサーリンク
2018年10月14日(日)、テレビ東京系で夜8:00から2時間にわたって放送された「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」よりダイジェストをお送りします。
この番組は環境と在来生物を守り、より生物が棲みやすい環境になることを目的に2017年1月から散発的に始まったもので、回を重ねるごとに人気を呼び、ついに月一回レギュラーとなった。
過去、大きな池から小さな池まで水を抜くこと20数回。抜くごとに、外来種が非常に多く繁殖していることがわかり、これを駆除するとともに、貴重な日本固有の在来種を保護してきた(一部在来種が心ならずも死ぬ事態が発生したことはあった=番組は反省し管理をきちんとするとしている)。
今回は、放送された中から「長崎県大村公園・桜田の堀」「大宮氷川神社の池」を紹介します(他に福岡県北九州市・権ヶ迫池でのカミツキガメの捕獲、ゴルフ場の池での水抜きもありましたが、今回は割愛します)。
さあ、どんな結果になったのでしょう?!
大村公園・桜田の堀の水ぜんぶ抜きボラを海へ帰す(長崎県大村市)
●出演:あばれる君
中川翔子
ピカチュウ(捕獲には参加せず)
●指導:久保田潤一(NPO birth 自然環境保全・生物調査専門家)
●依頼主:長崎県大村市長(園田氏)
●依頼内容:池の水質環境を良くするためボラを海に帰す
●池の面積7000㎡水量10000t
大村公園はかつての大村城(玖島城)の跡で、本丸があったところには大村神社が建てられている。お堀は「桜田の堀」という池となり、隣接の大村湾とつながっている特殊な立地となっている。
つまり番組史上初の海水が入り込む池、海水+淡水=汽水の池なのだ。
水面にはおびただしい数のボラがピチピチ跳ねていた。市長が言うには「1000匹」いるだろうと。なぜこんなにボラがいるかというと、海とつながっているのはもちろん、「水が汚いから」(久保田氏)だという。ボラは水の汚れに強い魚で、かつ池の汚れを食べて暮らすことができる魚だそうだ。
ボラは出世魚で、ハク→オボコ→イナ→ボラ→トド(「とどのつまり」はここからきた)と成長するに従って呼び名が変わる。
桜田の池の水は4日間かけて抜き、生物のためにわずかに水を残した。海との間は鉄板で遮断した。
<調査開始>
まずボラを保護するのだが、あばれる君が捕獲したのは「キチヌ」(在来種)。クロダイの仲間で、長崎ではクロダイのことを「チヌ」と呼び、ヒレが黄色いものは「キチヌ」と呼ぶ。川を上って淡水域まで入ることがあり「川鯛」ともいう。さらにその「チヌ(クロダイ)」も捕まった。最大70cmにもなり、沿岸部に生息、5000円で取引されることもある高級魚だ。
さらにまた「スズキ(シーバス)」(在来種)も網にかかった。最大1mを超える夜行性の肉食魚でこれも高値で取引される高級魚。
別の網には「シマイサキ」(在来種)が入った。4〜7本の縞帯が特徴。
ショコタンは「カライワシ」(在来種)を捕まえた。透明なレプトケファルス幼生期がありウナギやアナゴに近い種類。外見からはそう見えない。小骨が多く食用には向かない。
そうこうしている間に、あばれる君は今度は「ウシエビ(ブラックタイガー)」(在来種)を捕獲した。これはクルマエビ科の中でも大型で最大30cmになる。
さらに「アナジャコ」(在来種)も。砂浜や干潟に1m前後の深さで巣穴を掘って暮らす。産地で塩茹でや素揚げにして食べられる。
久保田さんは「クロサギ」(在来種)という小型魚を網に入れた。
この池はこれまでと全く違う生態系だ。
次に、お目当の「ボラ」(在来種)の保護にとりかかった。出世魚のためボラという名は30〜50cmの大きさを指す。きれいな水域で捕れたボラは美味しく高級魚。この卵巣を塩漬けにして天日干しにしたのが珍味「カラスミ」だ。ここ長崎の名物でもある。
一同はボラを次から次へと捕獲する。その数は推定で1000匹以上。
弱らせないため、近くの生簀にすぐに搬送し、海(大村湾)の近くにある別の池に放流する。こうすればボラは海に帰れる。
捕獲して改めて数えたら、ボラの数は2600匹だった!
最後に、スタッフが大きなものを捕まえた。絶滅危惧種の「ニホンウナギ」だ。環境省レッドデータブックで絶滅危惧1B類と指定される生物。さらに「ミナミメダカ」という絶滅危惧種も発見できた。絶滅危惧II類で比較的塩分に強いという。
<捕獲生物>
◎在来種:キチヌ(クロダイの仲間)
チヌ(クロダイ)
スズキ
シマイサキ
カライワシ
ウシエビ(ブラックタイガー)
アナジャコ
クロサギ
ヒイラギ
コノシロ
チチブ
ウロハゼ
ボラ
ニホンウナギ
ミナミメダカ
合計16種類 3386匹
◎外来種:クサガメ3匹
ミシシッピアカミミガメ11匹
この池はほとんど海や汽水の生き物ばかりだった。高級魚が続々出てきた池という番組始まって以来の展開に一同はビックリ。しかし汚れた池ながらこのような海の魚がたくさんいたのはそれなりに良い環境だったにちがいない。ボラがいなくなって、これからは水質良化されさらに良い環境になることだろう。
大宮氷川神社の神池の水をきれいにしてホタル復活を(埼玉県さいたま市大宮区)
●出演:田村淳
大家志津香(AKB48)
笛木優子
佐藤寛太(劇団EXILE)
●指導:NPO birth
●依頼:大宮氷川神社
●依頼内容:池をきれいにしホタルを復活させる
大宮氷川神社は武蔵一宮の大いなる宮。地名の「大宮」の由来となった文字通り大きな神社だ。2400年前(!?)に創建したと伝わる関東一円の氷川神社280社の総本社だ。1180年源頼朝が社殿を再建したという。山道の長さは日本一で、その距離なんと直線2km。初詣には230万人が参拝に訪れる関東屈指の神社だ。
大宮はゲンジボタルが日本一だった時代があった。昔は徳川将軍家や天皇家にホタルを献上していたという。ところが昭和40年代になって水が汚染されたり、コイや外来種が増えたりしてホタルが消えた。今回の緊急SOSは宮司さんからの「池をきれいにしてゲンジボタルを復活させたい」という依頼なのだ。
地元でもホタルの復活を望む声が大きくなり、平成27年氷川ホタルの会を結成し神社の裏にある小さな池を「蛍池」と名付け、ホタルのエサである「カワニナ」を育て、埼玉県越谷市からゲンジボタルを譲り受けるなど、ホタル復活の準備段階に入っているという。
問題の池=「神池」は一目見て「キッチャナイ」(淳)という状況。50年以上手つかずで、水は緑色に濁り見るも無惨な池となっている。「今までの中でも上位の汚さ」(淳)。
2日前から水抜きを開始。水の一部を残して水抜きは完了した。
<調査開始>
粘っこいヘドロがからみつき捕獲作業は難航した。しかし何とか頑張って網やタモを水にくぐらせる。
まず捕れたのは外来種のコイ。コイは大きな口でヘドロを巻き上げるので池を汚す最大の原因となっている。女優の笛木優子もヘドロに負けずに頑張った。笛木は大宮神社の近くの出身ということで、七五三は当神社で行ったそうだ。なのでこの池は絶対にきれいにするとの思いが強い。
佐藤寛太はコイを同時に4匹捕獲に成功した。
池を汚すコイはホタルの生息場所には絶対にいてはいけない存在だ。
「池の主」ソウギョ(80cm)も出たー。これは大量の水草を食べ尽くすので、ホタルの天敵だ。
またアメリカザリガニもいた。池や田んぼに生息しホタルへの影響が最も大きい。ホタルの幼虫を食べエサとなるカワニナも食べ隠れ家となる水草も食べるので、
<捕獲生物>
◎外来種:コイ 232匹
ソウギョ
アメリカザリガニ 9匹
ライギョ
フトマユチズガメ
ゲンゴロウブナ
金魚
ミシシッピアカミミガメ
合計:296匹
◎在来種:モツゴ 3000匹
スジエビ 3000匹
ヨシノボリ
ヤゴ
合計:6013匹
このあと小学生が2ヶ月前に池にカバンを落としたので探して欲しいとの要望が淳に伝えられ、一同捜索したが出てこなかった。代わりに松田聖子の写真が入った生徒証とアメジスト(紫水晶)の塊が発見され、生徒証は本人の元へ、アメジストは透明度の高いものは100万円するものもあるというが、これはどうか? あとで鑑定してもらった結果、天然のアメジストに間違いない。しかし色が薄く透明度も低いので5000円から10000円だろうとのこと。
大宮氷川神社の神池は、同じ種類ばかりに偏っていた。これは良いとは言えない。いろんな生き物がいた方が良いのだ。
この池は一年間かけ天日干ししながらショベルカーでヘドロを除去してきれいにしていく予定だ。
そうすれば地元の人が望むゲンジボタルの復活も夢ではなくなる。今回のかい堀はその大きな一歩となるだろう。
スポンサーリンク
コメント 0