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【池の水ぜんぶ抜く】「日比谷公園・心字池」「小田原城お堀」「善光寺・放生池」の水を抜く! 絶滅危惧のニホンイシガメも発見! [自然・生物]

日本3大池(?)〜日比谷公園・小田原城・善光寺で水抜き

2018年4月22日(日)、テレビ東京系で夜8:00から2時間にわたって放送された「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」よりダイジェストをお送りします。

この番組は環境と在来生物を守り、より生物が棲みやすい環境になることを目的に昨年1月から散発的に始まったもので、回を重ねるごとに人気を呼び、ついに月一回レギュラーとなった。
過去、大きな池から小さな池まで水を抜くこと20数回。抜くごとに、外来種が非常に多く繁殖していることがわかり、これを駆除するとともに、貴重な日本固有の在来種を保護してきた(一部在来種が心ならずも死ぬ事態が発生したことはあった=番組は反省し管理をきちんとするとしている)。

さて今回は、日比谷公園の「心字池」、小田原城のお堀、善光寺の池の水を全部抜くという大作戦。
さあ、どんな結果になったのだろう?!



日比谷公園「心字池」(東京都千代田区)

 ●出演:的場浩司、小池都知事(臨時出演:田村淳)
 ●指導:静岡大学教授・加藤英明(農学博士)
 ●依頼:日比谷公園サービスセンター
 ●協力:麹町小学校児童100名、大学生ボランティア50名
 ●池の規模:面積2800㎡、水量2000t

番組では2017年夏に、日比谷公園の「雲形池」で水抜きを行っていた。その時は池の中から様々な生物が発見され、鍋島藩の家紋入りの軒丸瓦も発見された。スッポンなど在来種の多い豊かな池だと判明した。
2018年の今回は、公園内のもう一つの池「心字池」を水抜きして生物調査を行う。
依頼主の日比谷公園サービスセンターによると「心字池にどういった生物が潜んでいるのか調査したい」とのこと。
心字池は面積2800㎡、水量2000tという規模。江戸城のすぐそばにあり、伊達家など有力大名の上屋敷が並んでいた。伊達政宗が亡くなったのも、このすぐそばだという歴史的な場所でもある。開園から115年、久しぶりの水抜きだというから、どんな生物が出てくるか、本当に楽しみだ。

MCは的場浩司、指導には静岡大学・加藤英明(鉄腕DASHの「グリル厄介」にも登場)さん、また、小池都知事も参戦。「都の環境行政のため、また特定外来生物を防止する法律を作ったときの環境大臣なので参加した」とのこと。
水抜きは生物への負担を軽減するため、ゆっくりと行われた。
水抜きが済むと、一斉に池に入り、生物捕獲を行った。
コイが多く捕獲された。コイは在来種とみられていたが、近年の研究で外来種(中国など)と判明、日本本来のコイは琵琶湖に生息するのみだという。
加藤「(コイは)ヤゴも水生昆虫も水草もほとんど食べてしまうので取り除かなければなりません」
こうやって泥の中で生物捕獲を行っているが、泥を歩くのは生物調査ばかりではなく、泥を攪拌することでガス抜きになり、酸素を供給することになり、ひいては池の活性化につながるのだという。
最後は池底のヘドロを取り除いて、本作戦は終了した。

その結果、
 <捕獲生物>
 ◎外来種:外来コイ69匹
      ミシシッピアカミミガメ(1950年代に輸入。生態系を犯す)13匹
      クサガメ1匹
      タイリクバラタナゴ
      アメリカザリガニ
      計88匹
 ◎在来種:モツゴ 7945匹(石に卵を産み付けるのでここでは大量に繁殖)
      ヨシノボリ属(ハゼ科の淡水魚)
      テナガエビ 848匹
      スッポン4匹(うち1匹の甲羅が食いちぎられていた※)
       ※アゴの力が強いカミツキガメかワニガメがいるのか?
      ヤゴ
      ミナミメダカ(絶滅危惧種)
      計9060匹
 ◎発 見:江戸時代の瓦の破片(歴史的価値はあまりないとのこと)
      
本作戦では、在来種が非常に多く発見できた。貴重なヨシノボリやミナミメダカも発見され、在来種の環境が比較的保全されていることがわかった。しかし外来種もいたので、このまま放置していたら池の環境が悪化し、生態系に悪影響を及ぼすところだった。
加藤先生によると「スッポンは生態系の頂点に立つぐらいの生き物なので、(生態系の)門番としては重要な生き物だから、よかった」
依頼主は「アカミミやコイなどを獲っていただいたので、ますます自然豊かな日比谷公園になるよう期待しています」と感謝の声を上げた。
なお、小池都知事は、今後このような作戦が都内である時は東京都が協力体制をもって一緒にやってくれることを的場に約束したという。





小田原城「お堀」(神奈川県小田原市)

 ●出演:田村淳、田中直樹、テレ東アナウンサー(鷲見・福田・増田・中川・斎藤)
 ●指導:NPO birth 久保田潤一(自然環境保全・生物調査の専門家)
 ●依頼:小田原城総合管理事務所
 ●協力:市民ボランティア700人、ダイビング・ボランティア
 ●作業:丸三興業(水抜き)、十和養魚場(地引き網)
 ●池(堀)の規模:1万㎡、水量15000t

小田原城は北条五代100年の城で関東支配の拠点。「総構え」といって町全体(9km四方)が城となるので、敵が攻めてきた時に強い。どの武将も攻め落とせない堅固な城だった(名将・上杉謙信も攻めあぐんだ。秀吉によって落城するまで堅塁を誇った)。
この城から番組にSOSが寄せられた。いわく「お城のお堀の水を全部抜いて生物の徹底調査をしたい」と。しかしこのお堀は面積1万㎡、水量15000tという、とてつもない規模。一体どうやってやるのか?

まず水門を開けて水を相模湾に流す。これに10日かかる。しかし、残り3日で大雨に見舞われ、城中の水がお堀に流れ込み排水が間に合わなくなった。
そこで翌日、水抜きのスペシャリストが超強力なポンプを投入、1時間で400tの水を吸い取ることが可能だという。

その2日後、調査当日も雨だった。この日、MCの田村淳、田中直樹の他にテレビ東京の人気アナウンサー軍団も集結。それと加藤小田原市長も駆けつけた。心配された水の量だが、水抜きスペシャリストの力で15000tが見事に抜けていた!搔い掘りは38年ぶりだという。ただし橋の付近はあえて水を残した。それは地引き網で生物を捕獲しようという作戦だからだ。
さて水底にはどんな生物が潜んでいるのか?

まず地引き網にかかったのは、外来種のコイがたくさん(ただ今回はコイは池に戻す予定だという)。これらを別の生け簀に移した(コイ300匹)。大きな口で何でも食べてしまう特定外来生物ブラックバスも大量に発見された。在来種もモツゴ、オイカワといった魚やナマズ(琵琶湖原産の国内外来種)もいた。

生物調査の後、お堀の清掃が行われ、様々なゴミや捨てられたものがたくさん出てきた。

 <捕獲生物>
 ◎外来種:コイ300匹
      ブラックバス
      ミスシッピアカミミガメ
      ハナガメ
      ナマズ(国内外来種)
      計360匹
 ◎在来種:モツゴ 31000匹
      オイカワ3匹
      ニホンウナギ(絶滅危惧 I B類)
      ウグイ
      ヌマガイ
      マルタニシ      
      ヨシノボリ
      ギンブナ
      ヤゴ
      計31642匹
 ◎発 見:江戸時代の軒瓦2つ(初期と幕末)
      徳川家の家紋瓦(将軍宿泊用本丸御殿の軒丸瓦)

というわけで大作戦は終了。在来種が多かったのは良かった。それとブラックバスが増えてしまうとお堀の生態系は破壊されるところだったので、それを未然に防げたのは大成果だった。





善光寺「放生池」

 ●出演:田中直樹、江口洋介
 ●指導:NPO birth 久保田潤一、金本敦志(自然環境保全・生物調査の専門家)
 ●依頼:善光寺
 ●協力:地元ボランティア
 ●作業:丸三興業(水抜き)
 ●池の規模:面積500㎡、水量1500t

長野県長野市にある名刹・善光寺。本堂は国宝に指定され、年間600万人が訪れる名所中の名所だ。
その善光寺から緊急SOSが届いた。いわく「本堂の南西にある大勧進(財政管理を行うところ)の池がだいぶ濁ってきたので水を抜いてきれいにしてほしい」というのだ。
大勧進には武田信玄と上杉謙信の位牌が納められており、貴重な宝物を多数保管している。池ができたのは230年前で、浅間山の噴火で大凶作になり犠牲者が90万人を超えた時、大勧進の貫主は蔵米を分け与えて被災民を救済したのだが、住民はそのお礼に防火用水としての池を作って寺に贈ったという。これが今回水抜きする「放生池」(ほうじょういけ)なのだ。
230年間、放置していた結果、汚れに汚れてしまっている。

というわけで、ついに230年ぶりの水抜きが始まった。まず水門を開け水を排水。仕上げは業者の水抜きだ。それほど大きな池ではないので水抜きは手間取らなかった。MCの田中、俳優の江口洋介を先頭に泥の中に入る。
まず見つかったのは在来種のスッポン。全長40cm、推定20歳の大物だ。これを2匹保護。
続いて見つかったのは、超貴重種のニホンイシガメ! 準絶滅危惧種に指定されている日本古来のカメだ。これを5匹保護できた。
さらに巨大な淡水貝「ヌマガイ」が見つかった。専門家によると20〜30年は生きているだろうとのこと。近年コンクリート化などの影響で数が激減していたが、何とこの池では35匹見つかった!!
おなじみの在来種のモツゴにいたっては、22100匹見つかり、保護することができた。

外来種はタイリクバラタナゴという重点対策外来種に指定されている魚が出た。これはニッポンバラタナゴという在来種と交雑してしまう恐れがあり、しかも淡水の二枚貝の中に卵を産みつけるという厄介者。おそらくヌマガイの中に産卵して繁殖を繰り返していただろうと、専門家は言う。
また、アカミミガメ、コイなどは水草などを食べるので、池の汚れの原因となっている。コイにいたっては大きい口でヘドロをかき乱し池を汚す。外来種コイはこの池にたくさんいた。

ということで生物調査の結果は、
 <捕獲生物>
 ◎在来種:ギンブナ、スジエビ、ヨシノボリ属、モツゴ 22100匹
      スッポン2匹、ニホンイシガメ5匹
      ヌマガイ35匹、テナガエビ、ヤゴ(コシアキトンボ)
      計9種類 22221匹
 ◎外来種:タイリクバラタナゴ 392匹
      クサガメ(中国大陸からの外来種)45匹
      ミシシッピアカミミガメ17匹
      コイ60匹、アメリカザリガニ
      計5種類 516匹
 ◎発 見:屋根瓦(表大門の瓦で昭和40年だろうとのこと)

最後は池の清掃を行ったが、230年ぶりというわりには少なかった。
専門家の久保田さん(鉄腕DASHの「新宿DASH」にも登場)は「タイリクバラタナゴの産卵母体となる二枚貝(ヌマガイ)がたくさん見つかりました。できれば在来のニッポンバラタナゴと二枚貝がセットで繁殖してくれればうれしいですね」とコメントした。

※なお、保護したニホンイシガメは長野市茶臼山動物園で調査し、池に戻される。
 また、外来カメは静岡県賀茂郡にある体感型動物園「iZoo」に移された。





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