SSブログ

【池の水ぜんぶ抜く大作戦】山形県・新庄城のお堀調査/兵庫県謎のひっそり放置池の調査 [自然・生物]

外来生物を駆除し日本の在来種を守れ!

2019年4月21日(日)、テレビ東京系で夜7:00から2時間にわたって放送された「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」よりダイジェストをお送りします。

この番組は環境と在来生物を守り、より生物が棲みやすい環境になることを目的に2017年1月から散発的に始まったもので、回を重ねるごとに人気を呼び、ついに月一回レギュラーとなった。
過去、大きな池から小さな池まで水を抜くこと30数回。抜くごとに、外来種が非常に多く繁殖していることがわかり、これを駆除するとともに、貴重な日本固有の在来種を保護してきた(一部在来種が心ならずも死ぬ事態が発生したことはあった=番組は反省し管理をきちんとするとしている)。

今回は、放送された中から「山形県新庄城の堀」と「兵庫県の見捨てられた古池」を紹介します。
他に「山口県・萩城お堀おかわりSOS」「利根川でのアオウオ釣り」がありました。



山形県新庄城の堀から絶滅寸前アカヒレタビラ奇跡の発見!

 ●出演:田中直樹
     橋本マナミ(山形出身)
 ●指導:加藤英明(静岡大学)
 ●指導:大類貞夫(地元生物研究家)   
 ●依頼:山尾新庄市長
 ●依頼内容:35年前に掻い掘して以来の堀の生物調査
 ●協力:地元ボランティア

山形県新庄市。約400年前に築城された「新庄城」は堀に囲まれた平城で、今では公園として整備され、町のシンボルとなっている。幕末、戊辰戦争で新政府側についた新庄藩は東北諸藩と対立し、庄内藩に攻め込まれて落城・壊滅して以来、城跡として残されてきた。現在は本丸跡に「新庄天満宮」が建ち、「最上公園」として整備されている。
山形県新庄城の堀のうち今回調査するのは、第二の堀と第三の堀。発見された在来種は水を残した第一の堀へ逃すというもの。

地元生物研究家・大類貞夫さんが言うには、この堀にはかつて湧水があり水草が生い茂る環境だった。希少な在来種も多く棲んでいたという。その一つが「イバラトミヨ」というトゲウオの仲間で氷河期の生き残りとも言われている魚。北海道・東北に生息し山形県では準絶滅危惧種となっている。さらにタナゴの仲間の「アカヒレタビラ」もいたという。オスのヒレは婚姻色で赤く染まるという特徴をもち、環境省で絶滅危惧 I B 類、山形県では絶滅危惧 II 類に指定されている。
在来種を脅かすのは、ブラックバスやブルーギル。さてお堀の中はどうなっているのか?

<調査1日目>
水抜きは調査4日前から行われ、水は用水路へ排水された。
わずかに残された水の中でヒレを見せて跳ねていたのは巨大魚群。橋本マナミは愛知県佐保里池でのハクレンのホールド感が忘れられないと言ったとおり、またしてもハクレンをゲット。植物プランクトンを食べる中国四代家魚の一つ。加藤先生が言うには、ハクレンは小さな池では生きていけないので誰かが放ったのだろうと。
次々と獲れるハクレン。今回捕獲したハクレンは35匹。
さらに捕まえたのはライギョ。90cmはある東アジア原産の魚で、別名スネークヘッドとも呼ばれる。その尖った口でなんでも食べてしまう肉食魚。小さな在来種にとって脅威的存在だ。
おなじみの生物も出てきた。モツゴだ。しかし、東北北海道には生息せず、山形では国内外来種となる。
さらにオイカワも発見されたが、これも国内外来種となる。続いてゲンゴロウブナも発見したが、これも琵琶湖水系から持ち込まれた国内外来種。

加藤先生「一昔前は生き物がたくさんいれば良い自然とされていましたが、今は生き物を人為的に動かさない、生き物自らの力で動いたものを守るのが保全です」

続いて橋本が発見したのが、問題のブラックバス。北米原産で旺盛な食欲と繁殖力で生態系を破壊する。2005年環境省・特定外来種に指定された。
さらに水面にぎっしりと群がっていたのは特定外来生物のブルーギル。体は小さいが旺盛な食欲で様々な生物を捕食する危険な存在。

ここまでで外来種が3710匹、国内外来種が7518匹と「よそもの」が11200匹以上も捕獲された。はたして在来種はいるのか?
すると加藤先生が「オオタニシ」を発見した。環境省・準絶滅危惧種に指定されている貴重種だ。これを6匹保護。さらにイシガイ、ヌマガイの二枚貝も発見。合わせて237匹保護した。
ほどなく地元ボランティアが小さな魚を見つけた。これを見て加藤の顔がほころんだ。「アカヒレタビラ」だ。これは二枚貝の中に卵を産むという珍しい習性をもっている。32匹保護しこのうちオスは7匹だった。

大類さん「アカヒレタビラ」はいないと思っていた。30年ぶりでお目にかかります。よかったです」

<捕獲生物>
 ◎在来種:オオタニシ 6匹 
      イシガイ
      ヌマガイ
      アカヒレタビラ 32匹 
      ヌマチチブ
      ニゴイ
      カマツカ
      ヤゴ
      在来種合計:1211匹

 ◎外来種:ハクレン 35匹
      ブラックバス 147匹
      ブルーギル 3000匹
      ライギョ
      コイ
      アメリカザリガニ
      タイリクバラタナゴ
      外来種合計:3710匹
 ◎国内外来種:モツゴ 2000匹
      ゲンゴロウブナ(琵琶湖水系) 2500匹
      ナマズ 18匹
      オイカワ 3000匹
      国内外来種合計:7518匹

貴重な在来種も意外に多く発見された新庄城のお堀。あとは在来種の保護は地元の人々に託された。



兵庫県六甲山地の〝放置池〟は在来種が多く棲む良い環境の池だった!

 ●出演:田村淳
     藤田ニコル
 ●指導:加藤英明(静岡大学)   
     金本敦志(水生生物専門家・NPObirth)
 ●依頼:六甲山観光(所有者)
 ●依頼内容:40年ぶりの池の調査
 ●協力:地元ボランティア

兵庫県神戸市の背後に聳える六甲山脈。その山の中の奥の奥に〝放置池〟があるという。農家の減少や所有者の高齢化で管理ができなくなった池だという。昨年7月の「西日本豪雨」では広島・岡山などの32カ所の放置池が決壊して大きな被害をもたらした。これらは「防災重点ため池」と呼ばれ、安全対策が急がれている。
このような忘れ去られた池の生態系はどうなっているのか? 

そこは今までにない不気味な池だった。
大きさ・深さは不明、生物も把握できない。しかも濃い霧に包まれている。この魔境の池で生物調査できるのだろうか?

この池は、昔は、冬に池に張った氷を切り出して氷室で保管して、夏にそれを街に売りに行った、と六甲山観光の長老は語る。明治17年に氷作りのために誕生した池で、当時周囲には同様な池が30カ所以上あり、夏には氷は神戸で使われたという。昭和4年まで45年間氷が作られていたが、その後昭和27年にスケート場として活用され、多くの人で賑わっていた。しかし昭和49年、温暖化の影響で氷が張らなくなって閉業、以来立ち入り禁止区域となって40年間放置されたままになっていた。

ということで、一体何があるのか? 興味と怖さが相まった調査を開始することになった。
水抜きは、ちゃんと排水口があって、そこの栓を抜けば簡単に抜くことができる。専門家によると2時間で抜けるという。生態系は予想もつかないので、排水口に網を設置して小さな生物が流れ出さないように配慮した。

2時間後、水量約2000tが抜け、40年ぶりに人が入ることになった。
初参加の藤田ニコルも加わり、霧の中、池の調査が開始された。
溜まりに溜まったヘドロが深い。ニコルは足が抜けなくなった。淳は慣れたものでスイスイと。
まず淳が発見したのは「ギンブナ」。在来種でほとんどがメス。コイやドジョウなど他のオスと繁殖行動をする特殊な生態をもつ。
続いて「カワムツ」を発見。在来種でカワの上流や湖など水のきれいな場所に生息する。近年激減の貴重種だ。
濃霧の中、準絶滅危惧種が出た!「ニホンヒキガエル」だ。在来種でガマガエルとも呼ばれ、兵庫県では準絶滅危惧種となっている。オスは繁殖期には可愛い声で鳴きメスの関心をひく。
続いて「モツゴ」を発見。おなじみの在来種で、繁殖力が強く池や川の下流域に生息し石などに卵を産む。
さらに加藤先生は、「スジエビ」「ヨシノボリ」を発見。両方とも在来種。
さらにさらにNPObirthの金本さんが「宝の山」と言った「オオタニシ」が多く発見された。日本のタニシの中で最も大きく7cmを超えるものもある在来種で、準絶滅危惧種に指定されている。

不気味だった放置池は、何と在来種の宝庫だった!

<捕獲生物>
 ◎在来種:ギンブナ   
      カワムツ 187匹
      ヨシノボリ類
      モツゴ 
      ニホンヒキガエル
      スジエビ
      オオタニシ 201匹
      オオヤマトンボのヤゴ
      ミズカマキリ
      在来種合計:匹

 ◎外来種:ウシガエル

なぜ放置池に在来種が多く生息していたのか? 人の手が入らず、立ち入り禁止でひっそりと放置していたからこそ、在来種がひっそりと命を繋ぐことができたのだろう。むしろ放置池だからこそ環境が維持されていたいたのだ。





スポンサーリンク






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。